困った時の相談特集
認知症や知的障がい・精神障がいの方の支援制度です。
認知症・知的障がい・精神障がいなどで判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話をお願いする介護サービスや施設入所の契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、本人がこれらのことをするのが難しい場合があります。また、本人に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。
「成年後見制度」とは、このような不利益を被らないように、家庭裁判所に申立てをして、本人をサポートしてくれる人(成年後見人など)を付けてもらう制度です。
★どんな時に「成年後見制度」が必要?
・老夫婦が必要のないリフォームを繰り返してしまう。
・年金生活の一人暮らしのおばあちゃんが必要のない高価な呉服を次々と買ってしまう。
・兄が認知症の母と同居しているが、どうやら兄が勝手に母のお金を使っているらしい。
・夫に先立たれてしまい一人で過ごす老後が不安。将来お世話になるかもしれない老人ホームの入所手続を代わりにやってもらいたい。
・うちの一人息子は知的障害がいがあり、私たちが亡くなった後のことが心配。
・認知症の母の不動産を売却して老人ホームの入所費用にあてたい。
・夫が残してくれた財産の管理をやってもらいたい。
★成年後見制度には2種類あります。
<法定後見制度>
判断能力が不十分な方に
本人の判断能力に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの制度があります。
後見・・・判断能力が全くない
保佐・・・判断能力が著しく不十分な方
補助・・・判断能力が不十分な方
本人の判断能力に応じて、家庭裁判所により、適切な援助者(後見人・保佐人・補助人のいずれか)が選ばれます。尚申立てができる方は、本人・配偶者・四親等内の親族などですが、市区町村長もできます。
<任意後見制度>
お元気なうちに将来に備えて
判断能力があるうちに、自ら選んだ代理人(任意後見人)を定め、自分の判断能力が不十分になった場合に備えて公正証書で契約(任意後見契約)しておきます。
判断能力が低下したら、申立てをし、任意後見監督人が家庭裁判所から選ばれてはじめて、任意後見契約が実行されます。
法定後見などがはじまった時、任意後見契約が公正証書で作成された時、法務局にその内容が登記されます。
後見人などが、本人を代理したりする時、登記事項証明書で相手にその権限を確認してもらうことができます。
★サポートが必要になる場面とは?
・遺産の相続
・施設や介護の契約
・交通事故などの示談
・保険金の受取
・預貯金口座の手続き・・・
基本的に法的な手続きのサポートが対象になります。
★成年後見制度を利用するメリットとデメリット
<メリット>
・判断能力が低下されている方が含まれる相続などの法的な手続きが本人にとって適正に行われます。
・判断能力が低下した方をターゲットにした、悪質商法に対する防御ができます。
・後見人等は、家庭裁判所の監督を受けるので、その手続きの適正さが確保されます。
・後見人の適正な監護で、後見を受ける本人は、自分の意思を尊重できます。
・周りの親族、福祉関係者にも、後見人等という相談相手が得られます。
・親の看護をうけてきた知的障がい者の、親亡き後に備えることができます。
<デメリット>
・選挙権を失います。(後見の場合)
・会社の取締役や一定の資格の職業に就くことができなくなることがあります。
★費用はどれくらいかかるか?
<法定後見の場合>
・申立て時
申立て手数料、登記手数料、郵便切手 ¥6,400程度
診断書費用(¥5,000程度)
その他資料(戸籍謄本、住民票、不動産の登記事項証明書など)
※鑑定を要する場合
本人の判断能力の程度を確認するために医師による鑑定 \50,000~¥100,000
・後見人等への報酬
資産やその他の事情に応じて家庭裁判所が決定し、ご本人の財産の中から支払われます。つまり、支払える範囲の金額ということがいえます。
<任意後見の場合>
・公正証書作成時
公正証書基本手数料、登記嘱託手数料、登記手数料 \15,000
その他(正本などの用紙代、郵便切手代 等) ¥15,000~
・任意後見人への報酬
契約によりご本人と任意後見人候補者とで決めます。
・任意後見監督人への報酬
家庭裁判所が決定します。
★NPO法人フォレストとは
成年後見制度普及のための講演や、成年後見制度・遺言・相続に関する無料相談会を各地で行い、後見人等そのものや遺言・相続などに関する諸手続きをお引き受けしております。
このように相続など諸手続きや成年後見制度の利用をサポートすることによって、本人はもちろんのこと、周りの方の生活においても、お亡くなりになった後まで、心配を軽減し、安心を提供しています。
★フォレストの成年後見制度への取り組み
制度発足当時から、勉強会を立ち上げ積極的に制度の研究を積み重ねてまいりました。その成果を各地でセミナーや相談会で還元するとともに、当事者や福祉現場の声に耳を傾け、皆さんとともに悩み、問題解決に取り組んできました。
また、多くの方に情報を発信してきたことで、制度の認知度を高め、制度の普及に努めてきました。
フォレストでは、こうして積み重ねた知識、経験を、後見人としての活動に還元できるよう日々精進しています。
これらの活動によって、フォレストが法人として後見人となることを認めてくださる家庭裁判所は各地に広がっており、実際に多くの方の後見人等を引き受けています。
成年後見制度についてのご相談やセミナーのご依頼などは、お気軽に電話またはメールでお問い合わせください。パンフレットは無料で配布いたします。